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生前の相続対策 ✽
生前の相続対策の重要性と法改正
発生した相続のことをメインに書いて参りましたが、ご本人さまがする相続対策が最も重要であると考えます。
とかく相続税の問題が一番大事だと思われがちですが実は相続対策はお金の問題だけでなく、今後も家族関係や人間関係を損なわないようにすることこそが最大の相続対策です。
今まで仲の良い家族だと思っていたのに相続が発生した途端に抱えていた問題が表面化して亀裂が入ることも残念ながら多々見受けられます。
まして既に相続人となる方々の仲が良くない時はすぐにでも対策を考えるべきです。
そして人の問題が解決できましたらお金(相続税や現金の確保の問題など)の問題に取り掛かるべきです。
その前に相続税の法改正がありましたので相続に関する数字を見てイメージしてみましょう。
2015年から相続税の基礎控除や税率が改正されました。
相続税の基礎控除は2014年までは 5000万 + (1000万X法定相続人の数)でしたが2015年1月以降に亡くなった場合、3000万 + (600万X法定相続人の数)に改正されました。
単純に分かり易いイメージとして、例えば妻とお子様2人が相続した場合、8000万円まで非課税だったのに対して改正後では4800万を超えたら課税対象になります。
※ 実際には配偶者控除などがありこんな単純な計算はしません。
その結果控除が改正前の6割になってしまいました。
これにより相続税を払わなければならなくなった人が多くなっています。
そして税率も最高税率が50%から55%に(6臆円以上)引き上げられています。
国税庁の資料では改正前のH26年では相続税が課税される人は全国平均で4.3%でしたがH28年では8.1%に増加しています。
今後は申告が必要な人が大幅に増える見込みです。
生前の相続対策の強み
残念ながら被相続人さん(相続される人)が思っているほど相続人さん同士は仲が良くない場合が一般的です。
ご兄弟姉妹でも仲の良い兄弟姉妹もいればそうでない兄弟姉妹もいます。
家は絶対大丈夫!と思われているかも知れませんが亡くなってから相続問題が争族に発展してしまうこともしばしばあります。
家庭裁判所で遺産に関する調停や審判の件数は年々増加しており、今や年間14000件超になっており、揉める金額の75%が5000万以下となっています。
しかしこれは当然のことだと思います。
人にはそれぞれ考え方、感じ方、価値観があるので過去に受けたマイナスの感情や経験が記憶に残っていたり公平観の違いもあります。
更にその相続人さんに配偶者やお子様がつくと、考え方の違いは当然増えてきます。
この違いが被相続人さんが亡くなると隠れていた感情が噴き出してきます。
これは何も特別なことではありません。
どこのご家庭でも大なり小なり抱えている問題です。
これらのことは生前にご本人様が自分の考えをちゃんとお話することで解決あるいは軽減されると思います。
そして相続人様が納得されていれば相続税ができるだけ負担にならないような財産の分配も可能になってきます。
またどのように分配するのが一番効率的か、相続人様全員が満足できる方法を多角的に検討することができます。
それを怠ってしまったために争いが起こってしまい最悪では訴訟という時間もお金も費やして修復不可能な関係だけが残ってしまうことも。
また相続税は原則現金一括払いの為に相続税の確保をしていなかった為にご家族が苦しむのは悲しいことです。
相続税を圧縮できる | 相続人様に分配の方法を理解して頂くことで可能 様々な特例や控除を利用できるし、相続財産を減らすことも可能 |
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相続税の確保ができる | 予め分配の仕方が協議納得できるので不動産が相続財産にある場合も相続税の支払のために検討準備ができる |
相続税の概算が予測しやすい | 誰がどの財産を取得するのか分かっているので相続税の計算がしやすい また2次相続についても予測ができる |
事業承継などに対策が立てられる | 予め事業を承継する以外の相続人の理解、了承を得ることでスムースに承継できる |
※ 上記の対策は税理士さんと一緒に検討していきます。
ご相談ください
以上のような理由から生前の相続対策をお奨めしています。
そうは言っても相続問題についてはどなたも漠然とした不安をお持ちだと思いますが実際のところ誰に相談してよいのか分からない、早急に決める問題でもないと先延ばしにする傾向にあります。
そのお気持ちはよく分かります、相続問題には実に多くの分野が関わってきます。
まず推定相続人の戸籍等の資料やお持ちの不動産の資料等を取り寄せたりすることから始まり、どのように分配すれば効率的で円満に解決できるか検討してゆきます。この作業の過程や実際に相続が開始した場合、登記には司法書士、不動産の評価には不動産鑑定士や不動産業者、税務申告には税理士、行政などへの書類作成や資料収集には行政書士などが関わり、その他にも保険会社や家屋調査士などが関係する場合もあります。
そして不幸にも解決が困難な時は弁護士さんに頼ることになります。
相続には同じ相続はありません。
100人いれば100通りの相続があり、同じものはありません。
この時に相談する窓口が一つではなく、各分野の専門家を訪問する度に違う提案をされたらどうなるでしょう。
戸惑うばかりです。
病院に限らずセカンドオピニオンが必要な場合もあるでしょうし、どちらがより自分の考えに沿うか確認することは大切な事ですが、その前提となるプランは一つにまとまったものでなければなりません。
どこを窓口にするかは自由ですし、セカンドオピニオンにして頂くのも大歓迎です。
当事務所を窓口として頂くことでご要望にきめ細かく対応しできるだけお客様りご要望が実現できるように努めます。
また担当者は法務事務以外の相談員もしておりますのでお客様のお話をじっくりとお聴きすることができますし、お客様ご自身が気づいていない問題点などを相続に強い税理士さん、司法書士さん、不動産鑑定士さんなどと連携してあたりますのでご安心ください。