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遺言の限界

遺言の限界とは

  • 遺言の限界とは

実は遺言には限界があります。
それは相続人というのは法定されており、相続の順位も決まっているからです。

例えばAさんはBさんと再婚しましたが子供はいません。
先妻さんとの間にできたCだけです。
Aさんは自分が亡くなった後のBさんの生活が心配ですが、Bさんも亡くなった場合、Bさんが相続した財産はBさんの親族に流れてしまいます。 
AさんはBさんとの結婚をBさん側の家族から反対されていたので親戚づきあいは全くしていません。
そこで自分のたった一人息子であるCさんに財産を上げたいと思ったのですが、いったんBさんに移った財産はBさんの相続財産となり、Cさんに通常戻ることはありません。

これが法定された相続人の範囲と相続の順位の問題です。
これが遺言の限界かもしれません。

しかしこれを克服できる方法が全くないかというとなくもありません。

例えば次のケースなども相続人の順番を超えたり、戻したりできないか検討に値するケースです。
分かりやすくするために法律用語を使っていませんし、相続分や遺留分を考慮しない話になってしまっている箇所もありますがイメージだけ捉えて頂けたらと思います。
実際には需要は大変多いと思います。

遺言に限界があるのを痛感している方はご相談ください。 
解決策が見いだせるかもしれません。

この場合、信託と遺言を組み合わせることで解決する場合がありますが信託にも多くの考慮しなければならない場合があります。

遺言の限界のケース①

  • 遺言の限界のケース①
  • 遺言の限界のケース①

Aさんはもしも自分の方が先に死んでしまったら家族同様の残された猫のたまが心配
⇒ たまの面倒を見てくれる人に自分の財産の一部分を贈与してもいい
⇒ でも一度にたくさんのお金を渡してしまったら最後までたまをちゃんと見てくれるか心配

遺言の限界①

日本では動物が相続人にはなれません
ですから動物と一緒に財産を世話をお願いするのにあげることになります。
これは遺言でもできますが、遺言にしてしまうと一度にあげてしまうことになるので、ちゃんとお世話をしてくれるかどうか心配ですね。そして一度あげてしまったらペットが死んでしまっても財産を取り戻せません。
信頼した人に預けないとペットが早く死ねば財産をもらった人に多くの財産が残ります。
これを防ぐために監督してくれて分割で渡す、といった方法を選択できます

遺言の限界①-b

  • 遺言の限界①-b
  • 遺言の限界①-b
  • 遺言の限界①-b

神戸に住むBさんは元々持病があり愛犬のぽちの行く末が心配
  ⇒ 息子はいるが東京で子供がアレルギーがあるので引き受けてくれない
⇒ 近所のCさんなら娘のDちゃんもいてぽちを可愛がってくれると思うのでぽちも幸せに暮らせると思う

遺言の限界①と同じケースです。
知らない土地で暮らすより毎日会っているDちゃんと暮らす方がよさそうですね。
でもCさんがOKしてくれるか心配です。
それなりのお礼は必要だと思っているのですが・・・・

遺言の限界②

  • 遺言の限界②

YさんとXさんは一緒に暮らすパートナー
⇒ しかし民法上は結婚できない
⇒ お互いに財産を残してあげたいがその為に養子になるのは嫌だ
⇒ Xさんは会社を経営しているので会社も守りたい

遺言の限界②

日本では同性婚が認められていません
憲法の解釈や税制の問題などもあるようですが、それとは別に人を大切に思う気持ちや愛する気持ちに男女の差があるとは思えませんが、現状では法律の壁があります。
戸籍上夫婦になることはできないので、昔から養子に入るという方法がありました。
しかし親子関係を築きたいわけではなく、夫婦関係になりたい人にとってこれは気持ち的に中々受け入れられるものではありません。
それでも愛する人に財産を残したいと思うことは当然です。
しかし他に相続人がいた場合、その相続人に財産が行ってしまいます。
また事業を経営している場合など、経営者としてその会社やお店を守っていかなくてはなりません。
大切なパートナーに財産を残したいけれど、そのパートナーが必ずしもその事業を受け継いでくれるか、適任者かどうかわかりません。

遺言の限界③

  • 遺言の限界③

EさんとFさんも同性婚
⇒Eさんは自分に何かあったらパートナーに財産を残してあげたいが一方で母がいる
⇒Fさんはかっては結婚しており前夫との間に子供がいる
⇒EさんとFさんもパートナーに財産を残そうと思っているがパートナーも亡くなった場合、本来の自分の家族に財産を戻したいとおもっている

遺言の限界③

同性婚の場合、現在日本の法律上夫婦になれません。
大切なパートナーに財産を残してあげたいと思っても相続人ではないので贈与という形になってしまいます・
同性婚に限らず多くの人が色々な事情を背負っています。
その中には自分の親や子供の問題などがあります。
その一方で親族に反対された場合は、どうしても付き合いが希薄になったり断絶してしまうこともあります。
そのような中で、今のパートナーは大切だけれども、パートナーの親族関係のことはよく分からない、あまり良い感情をもっていない場合、自分の家族に財産を戻したい気持ちもあると思います。
いったん贈与してしまった財産は相手の系統に移動しますので自分の系統には戻りません。

遺言の限界④

  • 遺言の限界④

Gさんは障害をもった息子のHさんの将来が心配だ
⇒自分が認知症やなったり亡くなったら誰がGの面倒をみてくれるのか
⇒娘のIは結婚して自分の家庭で手いっぱいで負担をかけたくない
⇒Iに大金を渡して夫のJが大酒のみで使い込んでしまわないか心配

遺言の限界④

この場合、遺言では負担付き贈与を娘Iにできます。
しかし実際は実行してくれるかどうか心配です。
更にIの家庭もIの夫が大酒のみで仕事で怪我をしてから益々お酒を飲むようになり、JにHの為に残した財産を使われてしまわないか心配です。
一度に大きなお金を渡して使いこまれないか、という心配は常に付きまといます。
まして自分の意思表示がうまく伝えることができないお子様が残される場合はなおさらです。
こんなときは一度に全部渡してしまわないように、毎月定額を渡したり、その使い道を監督してくれる人がいれば少しは安心でしょう。

遺言の限界⑤

  • 遺言の限界⑤

Kさんはプログラマーで成功しているが、離婚した元妻の間には息子Mがいる
⇒ 元妻が親権を有しているので離れているのでMのことが心配、それなりの財産を残してやりたいと思っている
⇒ 元妻Lは金銭感覚がなくて離婚したのでMに渡した財産を消費してしまうかも知れない

遺言の限界⑤

元妻との問題は離婚の時に解決しています。
しかし息子はまだ小さな為に元妻に親権を取られ元妻が育てています。
子煩悩なKさんはMのことが心配です。
幸い事業が大成功しているので、それなりの財産ができMに残してあげたいと思っていますが、元妻は金使いが荒くて離婚したので、Mにあげてもまだ幼いMのお金を管理するのは元妻なので信用できないと思っています。
多くのケースと同じく、それなりのまとまったお金を渡してしまって大丈夫かという不安が残ります。
この場合も分割で渡したり、監督人をつける方法などが考えられます。

遺言の限界⑥

  • 遺言の限界⑥

NとOは仲が良いが子供がいない
⇒ Nにはシングルマザーで子育てを一生懸命している姪のPがいて応援したいと思っている
⇒ Oにも医者の弟Qと実家で農家をしている姪のR夫婦がいる
⇒ お互いに自分の家系に財産を移したいと思っている

遺言の限界⑥

子供がいないご夫婦の相続です。
通常はどちらかが亡くなってしまうと残った配偶者と尊属(父母)や卑俗(兄弟)が法定相続人の範囲で相続します。
しかし一旦別の系統に移ってしまった財産は取り戻せません。
お子様がいらっしゃらない場合、お互いに自分の血筋に財産を残したいと思われる方は結構いるのではないでしょうか。
それぞれに昔お世話になったとか、応援したい甥や姪がいるかもしれません。
特におひとりになった時にお世話してくださった自分の血筋の方に厚く感謝がある場合など、そのお世話になった方に残そうと思うかも知れません。

遺言の限界⑦

  • 遺言の限界⑦

Sさんは先妻を亡くしTさんと再婚
⇒ 二人の間には子供がいない
⇒ 自分が亡くなった後もTには不自由なく暮らしてほしい
⇒ Tの家族とは再婚に反対されて事実上縁を切っている 
⇒ だからTが亡くなった後は気まづくなった息子Uに自宅や財産を戻してやりたい

遺言の限界⑦

再婚したSさんはTさんと幸せな生活を送っています。
しかし最近大病を患ったSさんは自分に万一のことがあった場合のTさんのことが心配です。
その一方で再婚したことにより多感だった息子とは気まづくなり、早い内に家を出ていってしまいました。
再婚したとはいえ、勿論息子のことも気にかけています。
Tは自分の家族に反対されても妻になってくれたので、もう戻る家もなく自分がいなくなった後も十分生活できるように財産を残していますから心配はありません。
心配なのは息子で早く家を出てしまい苦労しています。
このままいけばTがなくなった後は実質私の財産は付き合いのしていないTの家系に行ってしまいます。
それは我慢できず、せめてTがなくなった後は息子Uに継いでもらいたい。

遺言の限界⑧

  • 遺言の限界⑧

⇒社長のがXは年の差があるYと結婚したが最近怪我をしたのをキッカケにもし自分が亡くなったらきっと若いYは再婚をするだろう。
⇒Yが再婚するのは止められないが、Yが再婚して自分の財産や会社が自分の見ず知らずの再婚した夫や子供に行くのは絶対に嫌だ。
⇒それなら自分の会社で働いたいる甥は仕事のセンスがあるし、甥にあげた方がましだ。
⇒何とかしたい・・・

遺言の限界⑧

この場合も妻の再婚を止めることはできませんし、妻が相続した財産は妻が亡くなった場合、夫と子供にいきます
再婚はやむなしとしても財産が流出するのを阻止して何とか会社を甥に任せて会社を発展させることはできないか。
子供がいない自分にとって会社は子供みたいなものだし、墓みたいなものなので、なんとか健全な経営を甥に任したい。

遺言の限界⑨

  • 遺言の限界⑨

⇒会社を経営するAは長男に株式を相続させ事業を承継させたい
⇒しかし孫(長男の息子)はとてもバイオリンの才能がある
⇒多分音楽の道に進むだろうし、それが本人にとっても幸せだと思う
⇒長男亡きあとに孫に会社は運営できないであろ
⇒次男は現在会社で働いているし、会社を任せたい 

遺言の限界⑨

本来長男が株式を相続した場合、その株式は長男の孫が相続します。


しかしもし孫が会社経営とは違う才能に恵まれていたら悩ましいところですね。
そこで会社経営にも参加している次男に長男亡きあとは継いでもらおうと思っています

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